今回は、中鎖脂肪酸のお話です!
中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツなどヤシ科植物の種子に含まれる植物成分です。一般の植物油に含まれるオレイン酸やリノール酸と同じ脂肪酸の仲間です。母乳や牛乳などにも含まれており、私たちが普段から摂取している成分となります。
話題のココナッツオイルには、約60%の中鎖脂肪酸が含まれています。また、100%中鎖脂肪酸でできているMCT(中鎖脂肪酸油=MCT:Medium Chain Triglyceride)オイルもあります。
一般的な油に含まれる脂肪酸とは異なる中鎖脂肪酸
油の主成分である「脂肪酸」は、分子が鎖状につながった構造をしており、その「長さ」で分類することができます。一般的な油に含まれている脂肪酸は分子の鎖が長いため「長鎖脂肪酸」と呼ばれています。これに対して、鎖の長さがその約半分の脂肪酸を「中鎖脂肪酸」と呼びます。
「長鎖脂肪酸」は、小腸で消化・吸収されたあと、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ、必要に応じて分解・貯蔵されます。
これに対して、「中鎖脂肪酸」は構造が異なるため、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入っていきます。そして肝臓ですばやく分解され、短時間でエネルギーになります。中鎖脂肪酸が分解される時間は長鎖脂肪酸の約4倍も速く、脂肪として蓄積されにくいという特徴があり、さらに肥満気味の人に「中鎖脂肪酸」を11%程度含む食用油を含む食事を12週間摂取してもらった実験(一般的な油「長鎖脂肪酸油」を摂った人と比較した実験)で、体脂肪と体重が減少したという結果を得られました。
また、体脂肪の中でも内臓脂肪が減少しており、それとともにメタボの判断指標とされるウエストも一層細くなっていたのです。
さらに、CTスキャンによる皮下脂肪や内臓脂肪の面積でも減少が確認されました。